- 歌の意味
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大伴の高師の浜の松の根を枕にして寝るけれど、家のことがしのばれてならない。
- 鑑賞
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巻第一 雑歌 66
詞書「太上天皇の難波の宮に幸す時の歌」
持統太上天皇の難波行幸に従った旅先で、高師の浜の松の根を枕にして寝ても、家のことが思われてならないと詠む望郷の歌である。浜辺の松の根を枕とする旅寝の心細さと、家を恋しく思う心とが素直に表されている。左注は作者を置始東人と記している。
作者の置始東人は、伝未詳の人物である。万葉集には弓削皇子の死を悼む挽歌なども残している。
初句「大伴の」は、難波の一帯を指す古い地名で、次の「高師」にかかる。本巻の第六十三首の「大伴の御津」と同じく、難波の地を示す語である。
二句「高師の浜の」は、和泉国の浜で、現在の大阪府高石市のあたりにあたる。
三句「松が根を」は、松の根をの意で、浜辺の松の根を枕とする旅寝のさまを示している。
四句「枕き寝れど」は、「枕く」が枕にするの意で、逆接の「ど」によって、枕にして寝るけれどの意となる。
結句「家し偲はゆ」は、「し」が強意の副助詞、「偲はゆ」が自然にしのばれるの意で、家のことがしのばれてならないの意である。本巻の第六十四首の「大和し思ほゆ」と同じく、「し」で強めて故郷を思う形で結んでいる。
まく:枕にする
しのはゆ:自然としのばれる
- 作者
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置始東人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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霰打つ安良礼松原住吉の 弟日娘女と見れど飽かぬかも
- 次の歌
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旅にしてもの恋ほしきに鶴が音も 聞こえずありせば恋ひて死なまし