吾が大君ものな思ほし皇神の
継ぎて賜へる我なけなくに
- 歌の意味
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わが大君よ、ご心配なさるな。皇祖の神が大君に続いてこの世に授けられた私が、いないわけではないのだから。
- 鑑賞
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巻第一 雑歌 77
詞書は前の歌に続き「和銅元年戊申、天皇の御製 御名部皇女の和へ奉る御歌」
前歌で即位にかかわる儀式を前に緊張する妹の元明天皇に対し、姉の御名部皇女が、どうかご心配なさいますな、皇祖の神が授けてくださった私がついているのですからと励ました歌である。天皇を支える姉としての頼もしさと、妹への深い愛情がこめられている。
作者の御名部皇女は、天智天皇の皇女で、元明天皇の同母姉にあたる。高市皇子の妃となり、長屋王の母となった。
初句「吾が大君」は、わが大君よの意で、妹の元明天皇への呼びかけである。
二句「ものな思ほし」は、「な」が禁止、「思ほす」が「思ふ」の尊敬語で、ご心配なさいますなの意である。ここで切れる二句切れとなっている。
三句「皇神の」は、皇室の祖先の神の意で、天皇の位を守る神を示している。
四句「継ぎて賜へる」は、大君に続いてお授けになったの意で、天皇の身内として神から授けられた存在であることを示している。
結句「我なけなくに」は、「なけなく」が「なし」を打ち消すク語法で、私がいないわけではないのにの意である。否定を重ねることで、自分がついていると力強く励ましている。前歌の「らしも」という不安げな推量に対し、断固とした励ましで答えている。
すめかみ:皇室の祖先の神
- 作者
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御名部皇女
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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ますらをの鞆の音すなり物部の 大臣盾立つらしも
- 次の歌
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飛ぶ鳥の明日香の里を置きて去なば 君があたりは見えずかもあらむ