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あをによし奈良の家には万代に
我れも通はむ忘ると思ふな

歌の意味
奈良の新しい家には、いつまでも私も通って来よう。忘れてしまうなどと思わないでほしい。
鑑賞
巻第一 雑歌 80

詞書は前の歌に続き「或る本の、藤原京より寧楽宮に遷る時の歌 反歌」
 平城京に新しく造った家に、いつまでも自分も通って来よう、忘れてしまうなどと思わないでほしいと詠む反歌である。長歌では、泊瀬川から佐保川を経て奈良へ向かう苦しい旅と、寒い夜も休まず通って家を造った労苦を詠み、その家に大君も千代まで来られよと結んでいた。反歌はそれを受けて、新しい家への変わらぬ思いを誓っている。
 作者は左注に「作主未詳」とあり、明らかでない。遷都にともなう造営に携わった人物の作と考えられている。

 初句「あをによし」は、「奈良」にかかる枕詞である。奈良山から顔料の青丹がとれたことにちなむとする説がある。
 二句「奈良の家には」は、新都の奈良に造った家にはの意で、長歌で苦労して造った家を指している。
 三句「万代に」は、いつまでも、永久にの意で、長歌の結びの「千代までに」を受けて、さらに長い時を示している。
 四句「我れも通はむ」は、「む」が意志の助動詞で、私も通って来ようの意である。長歌の結句とまったく同じ句で、長歌と反歌を強く結びつけている。ここで句切れとなっている。
 結句「忘ると思ふな」は、「な」が禁止の終助詞で、忘れると思うなの意である。新しい家、またその主への変わらぬ思いを誓って結んでいる。

よろづよ:永遠の年月、いつまでも
出典
万葉集
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