み薦刈る信濃の真弓引かずして
強ひさるわざを知ると言はなくに
- 歌の意味
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信濃の真弓を引いてもみないで、弦をかけるわざを知っているとは誰も言わないものなのに。
- 鑑賞
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巻第二 相聞 97
詞書は前の歌に続き「久米禅師、石川郎女を娉ふ時の歌五首」
禅師の問いに答えて、弓を引いてもみないうちから弦をかけるわざを知っているとは言えない、誘いもしないで断るかどうかなど分かるはずがないと、軽くたしなめた一首である。
詞書によれば、久米禅師が石川郎女に求婚したときの歌五首で、歌の末尾に付された「禅師」「郎女」の小注によって詠み手が示される。一連は弓にちなむ言葉で男女が問答を交わす形で、禅師の問い、郎女の二首の答え、禅師の二首の答えと続く。本歌はその二首目で、末尾の「郎女」の小注は歌の本文から除いた。
作者の石川郎女は、伝未詳の女性である。万葉集には石川郎女、石川女郎と呼ばれる女性が何人も現れ、同一人物かどうかは定まっていない。
初句「み薦刈る」は前歌と同じ枕詞で、禅師の言葉をそのまま受けて答えている。
二句「信濃の真弓」も前歌の二句と同じである。
三句「引かずして」は、弓を引きもしないでの意で、誘いもしないうちにと、前歌の「我が引かば」を切り返す。
四句「強ひさるわざを」は難解な句で、弓に弦をかけるわざと解されることが多い。
結句「知ると言はなくに」の「なくに」は〜ないのにの意で、引いてもみないうちから分かるはずがないとたしなめて結ぶ。
しひさる:弓に弦をかける意とする説が多い
わざ:技、やり方
- 作者
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石川郎女
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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み薦刈る信濃の真弓我が引かば 貴人さびていなと言はむかも
- 次の歌
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梓弓引かばまにまに寄らめども 後の心を知りかてぬかも