玉葛花のみ咲きてならずあるは
誰が恋にあらめ我れ恋ひ思ふを
- 歌の意味
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花ばかり咲いて実がならないというのは、いったい誰の恋のことだろうか。私はこんなに恋い慕っているのに。
- 鑑賞
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巻第二 相聞 102
詞書「巨勢郎女、報へ贈る歌一首」
実がならない木には神がつくという前歌の脅しを受け、花ばかりで実がならないのはあなたの方の恋でしょう、私はこんなに思っているのにと切り返した一首である。
詞書の注に、巨勢郎女は近江朝の大納言巨勢人の娘であるとある。
作者の巨勢郎女は、天智朝の大納言巨勢人の娘で、大伴安麻呂の妻となり、大伴田主の母となったとされる。
初句「玉葛」は前歌の初句をそのまま受けて答えたものである。
二句「花のみ咲きて」は、花ばかり咲いての意で、言葉ばかりで実のない恋を暗示する。
三句「ならずあるは」は、実がならないのはの意で、前歌の「実ならぬ」を受ける。六音の字余りである。
四句「誰が恋にあらめ」の「め」は推量の助動詞「む」の已然形で、反語の形をとり、誰の恋でもない、あなたの恋のことだと言い返す。
結句「我れ恋ひ思ふを」の「を」は逆接の詠嘆で、私はこんなに恋い思っているのにと結ぶ。
なる:実がなる。恋が実る意を重ねる
- 作者
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巨勢郎女
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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玉葛実ならぬ木にはちはやぶる 神ぞつくといふならぬ木ごとに
- 次の歌
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我が里に大雪降れり大原の 古りにし里に降らまくは後