嘆きつつますらをのこの恋ふれこそ
我が髪結ひの漬ちてぬれけれ
- 歌の意味
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嘆きながら立派な男子が恋い慕ってくれるからこそ、私の結った髪が濡れてほどけたのだろう。
- 鑑賞
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巻第二 相聞 118
詞書「舎人娘子、和へ奉る歌一首」
髪の結い目がほどけるのは人に思われているしるしという言い伝えを踏まえ、あなたが嘆きつつ恋してくれるからこそ私の髪がほどけたのだと答えた一首である。
片恋を嘆く舎人皇子の歌に対し、その恋は片恋ではなく私に届いていると応じており、嘆きを喜びに変える返しになっている。
作者の舎人娘子は、伝未詳の女性で、舎人氏の出とみられる。
初句「嘆きつつ」は、前歌の「嘆けども」を受けている。
二句「ますらをのこの」は、立派な男子がの意で、前歌の「ますらを」を受けている。
三句「恋ふれこそ」の「恋ふれ」は已然形で、恋い慕うからこその意。「こそ」は係助詞で、結句の已然形「けれ」で結ぶ係り結びである。
四句「我が髪結ひの」は、私の結い上げた髪がの意である。
結句「漬ちてぬれけれ」の「漬つ」は濡れる意、「ぬる」は髪の結い目がほどける意とされ、「けれ」で三句の係り結びを受ける。
ひつ:水にひたる、濡れる
ぬる:髪の結い目などがほどける意。濡れる意を重ねるとも解される
- 作者
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舎人娘子
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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ますらをや片恋せむと嘆けども 醜のますらをなほ恋ひにけり
- 次の歌
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吉野川行く瀬の早みしましくも 淀むことなくありこせぬかも