我が聞きし耳によく似る葦の末の
足ひく我が背つとめ給ぶべし
- 歌の意味
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私が聞いていた噂によく似て、葦の穂先のように弱々しく足を引きずっているあなた、どうかよく養生なさるがよい。
- 鑑賞
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巻第二 相聞 128
詞書「同じ石川女郎、更に大伴田主中郎に贈る歌一首」
足を病む大伴田主を見舞いながら、聞いていたとおり弱々しく足を引きずっているあなた、よく養生なさいと、なおも戯れを込めて贈った一首である。
左注に、仲郎が足を病んでいたので、この歌を贈って見舞ったとある。前の二首の贈答に続く石川女郎の歌で、からかいの中にもいたわりの気持ちがのぞく。
作者の石川女郎は、伝未詳の女性である。
初句「我が聞きし」は、私が聞いていたの意である。
二句「耳によく似る」は、聞いていた噂によく似ているの意である。
三句「葦の末の」は、葦の穂先のの意で、同音の「足」を導く序詞として働く。細く頼りない葦の先に、弱々しい足の様子を重ねている。
四句「足ひく我が背」は、足を引きずるあなたの意で、田主の足の病を指す。
結句「つとめ給ぶべし」の「つとむ」は身をいたわり養生する意、「給ぶ」は尊敬、「べし」は勧めで、よく養生なさるがよいと結ぶ。
うれ:草木の先端、こずえ
つとむ:身をいたわる、養生する
- 作者
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石川女郎
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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風流士に我れはありけりやど貸さず 帰しし我れぞ風流士にはある
- 次の歌
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古りにし嫗にしてやかくばかり 恋に沈まむ手童のごと