家にあれば笥に盛る飯を草枕
旅にしあれば椎の葉に盛る
- 歌の意味
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家にいれば器に盛る飯を、旅の途中にあるので、椎の葉に盛ることだ。
- 鑑賞
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巻第二 挽歌 142
詞書は前の歌に続き「有間皇子、自ら傷みて松が枝を結ぶ歌二首」
家にいれば器に盛る飯も、旅の身なので椎の葉に盛ると、囚われの旅の不自由さと心細さを淡々と詠んだ一首である。道の神への供え物を椎の葉に盛ったとする説もある。
有間皇子が磐代で詠んだ二首の二首目で、作者は一連の詞書による。左注に、これらの歌は柩を挽く時に作ったものではないが、歌の心に准じて挽歌の類に載せたとある。
作者の有間皇子は、孝徳天皇の皇子である。斉明天皇の時代、蘇我赤兄にそそのかされて謀反を企てたとされ、十九歳で処刑された。
初句「家にあれば」の「ば」は確定条件で、家にいるときにはの意。四句の「旅にしあれば」と対をなす。
二句「笥に盛る飯を」の「笥」は飯を盛る器である。
三句「草枕」は「旅」にかかる枕詞である。
四句「旅にしあれば」の「し」は強意の副助詞で、旅の途中にあるのでの意である。
結句「椎の葉に盛る」は二句の「盛る」をくり返し、器と椎の葉、家と旅を対比させて結ぶ。
け:飯を盛る器
いひ:飯、ごはん
しひ:ブナ科の常緑樹
- 作者
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有間皇子
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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磐白の浜松が枝を引き結び ま幸くあらばまた帰り見む
- 次の歌
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磐代の岸の松が枝結びけむ 人は帰りてまた見けむかも