磐代の野中に立てる結び松
心も解けずいにしへ思ほゆ
- 歌の意味
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磐代の野中に立っている結び松のように、私の心も結ばれたまま解けず、昔のことが思われてならない。
- 鑑賞
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巻第二 挽歌 144
詞書は前の歌に続き「長忌寸意吉麻呂、結び松を見て哀咽する歌二首」
野中に立つ結び松の「結び」に、ふさいで晴れない自分の心を重ね、有間皇子の昔が思われてならないと詠んだ一首である。
長意吉麻呂が結び松を見て詠んだ二首の二首目で、作者は一連の詞書による。本文の末尾には「未詳」の注記があり、歌の本文から除いた。左注に、これらの歌は柩を挽く時に作ったものではないが、歌の心に准じて挽歌の類に載せたとある。
作者の長意吉麻呂は、持統天皇、文武天皇の時代の歌人で、行幸に従って歌を詠み、即興の歌を得意とした。
初句「磐代の」は、前歌と同じく結び松のある地名である。
二句「野中に立てる」の「る」は存続で、野中に立っているの意である。
三句「結び松」までが序詞で、結ばれた松から「解けず」を導く。「結び」と「解け」は縁語である。
四句「心も解けず」は、心がふさいで晴れないの意である。
結句「いにしへ思ほゆ」の「思ほゆ」は自然と思われる意で、有間皇子の悲劇の昔が思われてならないと結ぶ。
むすびまつ:枝を結んで無事を祈った松
おもほゆ:自然と思われる
- 作者
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長意吉麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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磐代の岸の松が枝結びけむ 人は帰りてまた見けむかも
- 次の歌
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鳥翔成あり通ひつつ見らめども 人こそ知らね松は知るらむ