明日香川明日だに見むと思へやも
我が大君の御名忘れせぬ
- 歌の意味
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明日香川の名のように、明日にもまたお会いできると思うからだろうか、我が大君の御名を忘れることができない。
- 鑑賞
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巻第二 挽歌 198
詞書は前の歌に続き「明日香皇女の城上の殯宮の時に、柿本朝臣人麻呂の作る歌、短歌二首」
明日香川の「明日」の音に寄せて、明日にもまたお会いできると思うからだろうか、皇女の御名が忘れられないと詠んだ一首である。川の名と皇女の名が同じであることが、忘れがたい思いの支えとなっている。
明日香皇女の遺体を葬るまで城上の殯宮に安置したときに、柿本人麻呂が作った挽歌で、長歌の第百九十六首に短歌二首が添えられている。明日香皇女は天智天皇の皇女で、忍壁皇子の妃とされ、文武天皇四年(700)に亡くなった。本歌はその短歌二首の二首目である。
作者の柿本人麻呂は、持統天皇、文武天皇の時代に活躍した宮廷歌人で、長歌や挽歌にすぐれ、万葉集を代表する歌人である。後の時代には歌聖と称えられた。
本文には異伝の注記が三つあり、二句の「だに」を「さへ」、三句を「思へかも」、結句を「御名忘らえぬ」とする本がある。ここでは本行に従う。
初句「明日香川」は前歌と同じ初句で、同じ音の「明日」を導く。
二句「明日だに見むと」の「だに」は、せめて〜だけでもの意で、明日にでも会おうとの意である。
三句「思へやも」の「や」は疑問で、已然形に付いて、思うからだろうかの意となる。
四句「我が大君の」は、明日香皇女を指す。
結句「御名忘れせぬ」は、御名を忘れることがないの意である。皇女の名が川の名と同じであるため、川を見るたびに名が思い出されることを示している。
みな:お名前
- 作者
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柿本人麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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明日香川しがらみ渡し塞かませば 流るる水ものどにかあらまし
- 次の歌
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ひさかたの天知らしぬる君故に 日月も知らず恋ひわたるかも