聞きしごとまこと尊くくすしくも
神さびをるかこれの水島
- 歌の意味
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聞いていたとおり、本当に尊く霊妙に神々しくしていることよ、この水島は。
- 鑑賞
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巻第三 雑歌 245
詞書「長田王、筑紫に遣はさえて水島に渡る時の歌二首」
筑紫に派遣された長田王が、肥後の水島に渡った時の歌である。水島は、景行天皇が巡幸の折にこの島で冷水を得たという日本書紀の伝承で知られ、現在の熊本県八代市の球磨川河口にある小島とされる。伝え聞いていたとおりの神々しさだと感嘆し、結句に「これの水島」と据えて土地をたたえている。
作者の長田王は奈良時代前期の王族で、近江守、摂津大夫などを歴任し、天平九年(737)に没した。
初句「聞きしごと」 「し」は過去の助動詞「き」の連体形で、かねて聞いていたとおりに、の意である。
二句「まこと尊く」 本当に尊く、の意で、伝承の地を目の当たりにした感動を表している。
三句「くすしくも」 「くすし」は神秘的で霊妙である意の形容詞である。
四句「神さびをるか」 「神さぶ」は神々しく見える意、「か」は詠嘆で、ここで句切れとなる。
結句「これの水島」 「これの」は「この」にあたる上代語である。倒置によって島の名を最後に置き、体言止めで讃嘆を締めくくっている。
かむさぶ:神々しく見える、神らしくふるまう
- 作者
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長田王
- 出典
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万葉集
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み吉野の三船の山に立つ雲の 常にあらむと我が思はなくに
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芦北の野坂の浦ゆ船出して 水島に行かむ波立つなゆめ