- 歌の意味
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倉橋の山が高いからだろうか、夜が更けてからやっと出てくる月の光が乏しいことよ。
- 鑑賞
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巻第三 雑歌 290
詞書は前の歌に続き「間人宿禰大浦の初月の歌二首」
前歌と一組の月の歌である。倉橋山が高いせいで月の出が遅くなり、夜更けに出てきた月の光もかすかであると嘆いている。前歌が月明かりを喜んだのに対し、ここでは月の光の乏しさを惜しんでおり、二首で明暗の対をなしている。倉橋山は現在の奈良県桜井市倉橋のあたりの山である。
作者の間人大浦は奈良時代の官人であるが、伝は未詳である。
初句「倉橋の」 倉橋は大和国の地名である。
二句「山を高みか」 「を〜み」で原因を表し、「か」は疑問の係助詞である。山が高いからだろうか、の意で、結句の連体形「乏しき」と係り結びとなる。
三句「夜隠りに」 夜が更けてから、の意である。
四句「出で来る月の」 ようやく出てくる月の、の意である。
結句「光乏しき」 光が乏しい、の意で、二句の「か」を受けて連体形で結んでいる。前歌の明るい月と対照をなしている。
よごもり:夜が更けること、深夜
- 作者
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間人大浦
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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天の原振り放け見れば白真弓 張りて懸けたり夜道はよけむ
- 次の歌
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真木の葉のしなふ背の山偲はずて 我が越え行けば木の葉知りけむ