ひさかたの天の探女が岩船の
泊てし高津はあせにけるかも
- 歌の意味
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天の探女が岩船に乗って泊まったという高津は、すっかり浅くなって寂れてしまったことだ。
- 鑑賞
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巻第三 雑歌 292
詞書「角麻呂の歌四首」
角麻呂の歌四首の一首目である。天の探女が天の岩船に乗って降り立ったという伝説のある難波の高津が、今は浅くなって寂れてしまったことを嘆いている。神話の時代の華やかな伝承と、現在の衰えた港の姿とを対比し、歳月の移ろいを感じさせる。この伝承は摂津国風土記の逸文に見える。
角麻呂の歌四首は、難波の高津、御津、住吉など、摂津の海辺の地を詠んだ一連である。
作者の角麻呂は伝未詳の人物である。
初句「ひさかたの」 「天」にかかる枕詞である。
二句「天の探女が」 天の探女は記紀神話に登場する女神である。
三句「岩船の」 岩船は神が乗って天から降るという堅固な船である。
四句「泊てし高津は」 「泊つ」は船が港に着く意、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。高津は難波の港で、現在の大阪市中央区のあたりとされる。
結句「あせにけるかも」 「あす」は浅くなる、衰える意である。伝説の港の衰えを「かも」の詠嘆で結んでいる。
あまのさぐめ:記紀神話に登場する女神
いはふね:神が乗って天から降るという堅固な船
あす:浅くなる、衰える
- 作者
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角麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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真木の葉のしなふ背の山偲はずて 我が越え行けば木の葉知りけむ
- 次の歌
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潮干の御津の海女のくぐつ持ち 玉藻刈るらむいざ行きて見む