我が盛りまたをちめやもほとほとに
奈良の都を見ずかなりなむ
- 歌の意味
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私の盛りの時が、また若返って戻ってくることがあろうか。このままではほとんど、奈良の都を見ないままで終わってしまうのではないか。
- 鑑賞
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巻第三 雑歌 331
詞書は前の歌に続き「帥大伴卿の歌五首」
帥大伴卿の歌五首の一首目である。老いた身の盛りがもう戻ることはなく、このまま奈良の都を見ずに終わってしまうのではないかと、遠い筑紫で老いを嘆き、都への思いを述べている。前歌の大伴四綱の問いかけに答えるように配されている。
帥大伴卿の歌五首は、大宰府で奈良の都や故郷をしのんだ一連で、小野老や大伴四綱の歌に続けて配されている。
作者の大伴旅人は大伴安麻呂の子で、中納言、大宰帥を経て大納言に至り、天平三年(731)に没した。漢詩文の教養に富み、大宰帥として筑紫にあった時には、山上憶良らとともに歌の交流の中心となった。
初句「我が盛り」 自分の人生の盛りの時、の意である。
二句「またをちめやも」 「をつ」は若返る、元に戻る意、「め」は推量の「む」の已然形、「やも」は反語で、再び若返ることがあろうか、いやない、の意である。ここで句切れとなる。
三句「ほとほとに」 ほとんど、もう少しで、の意の副詞である。
四句「奈良の都を」 平城京を指し、前歌の「奈良の都を」をそのまま受けている。
結句「見ずかなりなむ」 「か」は疑問、「な」は完了、「む」は推量で、見ないままで終わってしまうのだろうか、と老いの嘆きで結んでいる。
をつ:若返る、元に戻る
- 作者
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大伴旅人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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藤波の花は盛りになりにけり 奈良の都を思ほすや君
- 次の歌
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我が命も常にあらぬか昔見し 象の小川を行きて見むため