我が命も常にあらぬか昔見し
象の小川を行きて見むため
- 歌の意味
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私の命もいつまでも変わらずにあってくれないものか。昔見た象の小川を、もう一度行って見るために。
- 鑑賞
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巻第三 雑歌 332
詞書は前の歌に続き「帥大伴卿の歌五首」
帥大伴卿の歌五首の二首目である。昔見た吉野の象の小川をもう一度見に行きたいので、自分の命がいつまでも続いてほしいと願っている。前歌の老いの嘆きを受け、故郷への思いが具体的な景色への憧れとして表れている。
帥大伴卿の歌五首は、大宰府で奈良の都や故郷をしのんだ一連で、小野老や大伴四綱の歌に続けて配されている。
作者の大伴旅人は大伴安麻呂の子で、中納言、大宰帥を経て大納言に至り、天平三年(731)に没した。漢詩文の教養に富み、大宰帥として筑紫にあった時には、山上憶良らとともに歌の交流の中心となった。
初句「我が命も」 私の命も、の意で、六音の字余りである。
二句「常にあらぬか」 「ぬか」は打消の疑問で願望を表し、いつまでも変わらずにあってくれないものか、の意である。ここで句切れとなる。
三句「昔見し」 かつて見た、の意である。
四句「象の小川を」 象の小川は吉野の象山から流れ出る小川である。
結句「行きて見むため」 行って見るために、の意で、倒置によって命の永続を願う理由を後から示している。
きさのをがは:吉野の象山から流れ出て吉野川に注ぐ小川
- 作者
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大伴旅人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が盛りまたをちめやもほとほとに 奈良の都を見ずかなりなむ
- 次の歌
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浅茅原つばらつばらにもの思へば 古りにし里し思ほゆるかも