いにしへの七の賢しき人たちも
欲りせしものは酒にしあるらし
- 歌の意味
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昔の竹林の七賢たちも、欲しがったものは酒であったらしい。
- 鑑賞
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巻第三 雑歌 340
詞書は前の歌に続き「大宰帥大伴卿の酒を讃むる歌十三首」
大宰帥大伴卿の酒を讃むる歌十三首の三首目である。中国の晋の時代、俗世を離れて竹林に集い、酒を飲み清談にふけった七人の賢人、いわゆる竹林の七賢を引き合いに出し、賢人たちも求めたのは酒だったと述べている。前歌の聖人に続き、賢人の故事によって酒をたたえている。
讃酒歌十三首は、大宰府にあった旅人が酒をたたえることを通して、世の賢しらを退け、人生の憂いを慰める思いを詠んだ一連で、中国の竹林の七賢などの故事を踏まえている。
作者の大伴旅人は大伴安麻呂の子で、中納言、大宰帥を経て大納言に至り、天平三年(731)に没した。漢詩文の教養に富み、大宰帥として筑紫にあった時には、山上憶良らとともに歌の交流の中心となった。
初句「いにしへの」 昔の、の意である。
二句「七の賢しき」 七人の賢い、の意で、竹林の七賢を指す。
三句「人たちも」 人々も、の意である。前歌の聖人に対して、ここでは賢人を挙げている。
四句「欲りせしものは」 「欲りす」は欲しがる意で、欲しがったものは、の意である。
結句「酒にしあるらし」 「し」は強意、「らし」は推定で、酒であったらしい、と結んでいる。一連の五首目も同じ結句で、酒を貴ぶ思いを重ねている。
ほる:欲しがる、望む
- 作者
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大伴旅人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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酒の名を聖と負ほせしいにしへの 大き聖の言の宣しさ
- 次の歌
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賢しみと物言ふよりは酒飲みて 酔ひ泣きするしまさりたるらし