言はむすべ為むすべ知らず極まりて
貴きものは酒にしあるらし
- 歌の意味
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何とも言いようもしようもないほど、この上なく貴いものは酒であるらしい。
- 鑑賞
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巻第三 雑歌 342
詞書は前の歌に続き「大宰帥大伴卿の酒を讃むる歌十三首」
大宰帥大伴卿の酒を讃むる歌十三首の五首目である。言葉でも行いでも言い表しようのないほど、この上なく貴いものは酒であると、最大級の言葉で酒をたたえている。三首目と同じ結句を用い、酒の貴さを重ねて強調している。
讃酒歌十三首は、大宰府にあった旅人が酒をたたえることを通して、世の賢しらを退け、人生の憂いを慰める思いを詠んだ一連で、中国の竹林の七賢などの故事を踏まえている。
作者の大伴旅人は大伴安麻呂の子で、中納言、大宰帥を経て大納言に至り、天平三年(731)に没した。漢詩文の教養に富み、大宰帥として筑紫にあった時には、山上憶良らとともに歌の交流の中心となった。
初句「言はむすべ」 言うべき方法、の意である。
二句「為むすべ知らず」 するべき方法も分からない、の意で、初句と「すべ」を重ねて、どうしようもないほどであることを表している。
三句「極まりて」 この上なく、極めて、の意である。
四句「貴きものは」 貴いものは、の意である。
結句「酒にしあるらし」 酒であるらしい、の意で、一連の三首目と同じ結句である。
すべ:方法、手段
- 作者
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大伴旅人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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賢しみと物言ふよりは酒飲みて 酔ひ泣きするしまさりたるらし
- 次の歌
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なかなかに人とあらずは酒壺に なりにてしかも酒に染みなむ