世間の遊びの道に楽しきは
酔ひ泣きするにあるべくあるらし
- 歌の意味
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世の中の遊びの道の中で楽しいものといえば、酔い泣きすることであるらしい。
- 鑑賞
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巻第三 雑歌 347
詞書は前の歌に続き「大宰帥大伴卿の酒を讃むる歌十三首」
大宰帥大伴卿の酒を讃むる歌十三首の十首目である。世の中にさまざまな遊びがある中で、最も楽しいのは酒を飲んで酔い泣きすることだと述べている。四首目に続いて「酔ひ泣き」を取り上げ、心のままに泣くことを楽しみとする独特の酒の境地を示している。
讃酒歌十三首は、大宰府にあった旅人が酒をたたえることを通して、世の賢しらを退け、人生の憂いを慰める思いを詠んだ一連で、中国の竹林の七賢などの故事を踏まえている。
作者の大伴旅人は大伴安麻呂の子で、中納言、大宰帥を経て大納言に至り、天平三年(731)に没した。漢詩文の教養に富み、大宰帥として筑紫にあった時には、山上憶良らとともに歌の交流の中心となった。
初句「世間の」 世の中の、の意で、六音の字余りである。
二句「遊びの道に」 遊びごとの中で、の意である。
三句「楽しきは」 楽しいものは、の意である。この句は原文の用字から訓が分かれており、異なる読みもある。
四句「酔ひ泣きするに」 酔い泣きすることに、の意で、一連の四首目と同じ語を用いている。
結句「あるべくあるらし」 あるに違いないらしい、の意で、推定を重ねて結んでいる。
あそび:管弦や遊興などの楽しみごと
ゑひなき:酒に酔って泣くこと
- 作者
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大伴旅人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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夜光る玉といふとも酒飲みて 心を遣るにあにしかめやも
- 次の歌
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この世にし楽しくあらば来む世には 虫に鳥にも我れはなりなむ