生ける者遂にも死ぬるものにあれば
この世なる間は楽しくをあらな
- 歌の意味
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生きている者はいつかは必ず死ぬものであるから、この世にいる間は楽しく過ごしたいものだ。
- 鑑賞
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巻第三 雑歌 349
詞書は前の歌に続き「大宰帥大伴卿の酒を讃むる歌十三首」
大宰帥大伴卿の酒を讃むる歌十三首の十二首目である。生あるものは必ず死ぬのだから、生きているうちは楽しく過ごしたいと、人生の無常を受け止めたうえで、現世の楽しみを肯定している。前歌の来世の話を受け、この世を楽しむべきだという考えをまっすぐに述べている。
讃酒歌十三首は、大宰府にあった旅人が酒をたたえることを通して、世の賢しらを退け、人生の憂いを慰める思いを詠んだ一連で、中国の竹林の七賢などの故事を踏まえている。
作者の大伴旅人は大伴安麻呂の子で、中納言、大宰帥を経て大納言に至り、天平三年(731)に没した。漢詩文の教養に富み、大宰帥として筑紫にあった時には、山上憶良らとともに歌の交流の中心となった。
初句「生ける者」 生きている者、の意である。
二句「遂にも死ぬる」 最後には必ず死ぬ、の意である。
三句「ものにあれば」 ものであるから、の意で、六音の字余りである。
四句「この世なる間は」 この世にいる間は、の意で、前歌の「この世」を受けている。
結句「楽しくをあらな」 「な」は願望の終助詞で、楽しくありたいものだ、と結んでいる。
いけるもの:生きている者、生あるもの
- 作者
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大伴旅人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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この世にし楽しくあらば来む世には 虫に鳥にも我れはなりなむ
- 次の歌
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黙居りて賢しらするは酒飲みて 酔ひ泣きするになほしかずけり