今日もかも明日香の川の夕さらず
かはづ鳴く瀬のさやけくあるらむ
- 歌の意味
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今日もまた、明日香川の、夕方ごとにカジカガエルが鳴く瀬は、清らかであることだろうか。
- 鑑賞
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巻第三 雑歌 356
詞書「上古麻呂の歌一首」
遠く離れた地から、旧都明日香を流れる明日香川の清らかな瀬を思いやった歌である。夕方ごとにカジカガエルが鳴く瀬は、今日もすがすがしいだろうかと、なつかしい故郷の景を想像している。「今日」と「明日香」とを続けて、言葉の響きを楽しむ工夫も見られる。原文には「或本の歌の発句に云ふ、明日香川今もかもとな」の異伝の注記があり、ここでは本文を採った。
作者の上古麻呂は奈良時代の人物であるが、伝は未詳である。
初句「今日もかも」 「かも」は疑問で、今日もまた、の意である。結句の「らむ」と呼応している。
二句「明日香の川の」 明日香川である。初句の「今日」から「明日」へと、響きの上でつながる語を続けている。
三句「夕さらず」 夕方を欠かさず、夕方ごとに、の意である。
四句「かはづ鳴く瀬の」 かはづは澄んだ声で鳴くカジカガエルのことである。
結句「さやけくあるらむ」 「らむ」は現在推量で、清らかであるだろう、と遠くから故郷の景を思いやって結んでいる。
かはづ:カジカガエル
せ:川の浅く流れの速い所
- 作者
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上古麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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大汝少彦名のいましけむ 志都の石屋は幾代経にけむ
- 次の歌
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縄の浦ゆそがひに見ゆる沖つ島 漕ぎ廻る舟は釣りしすらしも