阿倍の島鵜の住む磯に寄する波
間なくこのころ大和し思ほゆ
- 歌の意味
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阿倍の島の、鵜の住む磯に寄せる波のように、絶え間なくこのごろは大和のことが思われる。
- 鑑賞
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巻第三 雑歌 359
詞書は前の歌に続き「山部宿禰赤人の歌六首」
山部赤人の歌六首の三首目である。阿倍の島の磯に絶え間なく寄せる波のように、このごろは絶えず大和のことが思われると、旅先での望郷の思いを詠んでいる。上の三句は、寄せる波の絶え間なさから「間なく」を導く序詞で、海辺の景と心情とが自然に結びついている。阿倍の島は摂津の島とされるが、所在は明らかでない。
山部赤人の歌六首は、播磨から摂津にかけての海辺の旅の歌を中心とし、望郷や恋の思いを交えた一連である。
作者の山部赤人は聖武朝の宮廷歌人で、行幸に従って多くの歌を詠み、清らかで澄んだ叙景歌にすぐれた。後世、柿本人麻呂と並んで歌聖と称された。
初句「阿倍の島」 阿倍の島は所在未詳の島である。
二句「鵜の住む磯に」 鵜の住む岩の多い海辺に、の意である。
三句「寄する波」 寄せる波で、ここまでが「間なく」を導く序詞である。
四句「間なくこのころ」 絶え間なくこのごろは、の意で、波の絶え間なさを心情に転じている。
結句「大和し思ほゆ」 「し」は強意、「思ほゆ」は自然に思われる意で、大和への望郷の思いで結んでいる。
う:鳥の鵜
あへのしま:摂津国の島とされるが所在未詳
- 作者
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山部赤人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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武庫の浦を漕ぎ廻る小舟粟島を そがひに見つつ羨しき小舟
- 次の歌
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潮干なば玉藻刈りつめ家の妹が 浜づと乞はば何を示さむ