古典和歌stream

青山の嶺の白雲朝に日に
常に見れどもめづらし我が君

歌の意味
青い山の嶺にかかる白雲のように、朝に昼にいつも見ていても、見飽きることなく心ひかれる、わが君よ。
鑑賞
巻第三 雑歌 377

詞書は前の歌に続き「湯原王の宴席の歌二首」
 宴席で詠んだ歌二首の二首目である。青い山にいつもかかる白雲のように、毎日見ていても見飽きることがなく、いつも新鮮に心ひかれると、客人をたたえている。前歌で娘を紹介したのに続き、ここでは客そのものをほめてもてなしの心を表している。
 作者の湯原王は志貴皇子の子で、奈良時代の王族である。優美で繊細な歌を残している。

 初句「青山の」 木々が青々と茂った山の、の意である。
 二句「嶺の白雲」 嶺にかかる白雲で、ここまでが「常に見れども」を導く序の働きをしている。
 三句「朝に日に」 朝に昼に、毎日、の意である。
 四句「常に見れども」 いつも見ているけれども、の意である。
 結句「めづらし我が君」 「めづらし」は見飽きず心ひかれる意で、わが君よ、と客に呼びかけて結んでいる。前歌の結句と同じく「我が君」で終わっている。

あをやま:木々が青々と茂った山
作者
湯原王
出典
万葉集
前の歌
あきづ羽の袖振る妹を玉櫛笥 奥に思ふを見たまへ我が君
次の歌
いにしへの古き堤は年深み 池の渚に水草生ひにけり