筑波嶺を外のみ見つつありかねて
雪消の道をなづみ来るかも
- 歌の意味
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筑波山を遠くからばかり見ていることに耐えられず、雪解けのぬかるむ道を、難儀しながら登って来たことだ。
- 鑑賞
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巻第三 雑歌 383
詞書は前の歌に続き「筑波岳に登りて丹比真人国人の作る歌一首并せて短歌」の「反歌」
筑波山に登った時の長歌に添えられた反歌である。遠くからばかり眺めていることに我慢できず、雪解けでぬかるむ山道を苦労しながら登ってきたと、筑波山への憧れと登山の喜びを詠んでいる。筑波山は古くから国見の山として知られ、その姿を讃美している。
作者の丹比国人は奈良時代の官人で、遠江守などを務め、天平勝宝九歳(757)の橘奈良麻呂の変に連座して伊豆に流された。
初句「筑波嶺を」 筑波嶺は常陸国の筑波山である。
二句「外のみ見つつ」 外は離れた所で、遠くからばかり見ながら、の意である。
三句「ありかねて」 そのままでいることができずに、の意である。
四句「雪消の道を」 雪消は雪解けで、雪解けのぬかるむ道を、の意である。
結句「なづみ来るかも」 「なづむ」は行き悩む、難儀する意で、苦労しながらやって来たことだ、と結んでいる。
よそ:離れた所
ゆきげ:雪解け
なづむ:行き悩む、難儀する
- 作者
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丹比国人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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家思ふと心進むな風まもり 好くしていませ荒しその道
- 次の歌
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我がやどに韓藍蒔き生ほし枯れぬれど 懲りずてまたも蒔かむとぞ思ふ