梅の花咲きて散りぬと人は言へど
我が標結ひし枝にあらめやも
- 歌の意味
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梅の花が咲いて散ってしまったと人は言うけれど、それが私の標を結んでおいた枝であるはずがあろうか。
- 鑑賞
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巻第三 譬喩歌 400
詞書「大伴宿禰駿河麻呂の梅の歌一首」
巻第三の譬喩歌の部に収められた歌である。梅の花が咲いて散ったと人は噂するが、それは自分が標を結んでおいた枝ではないはずだと打ち消している。梅を女にたとえ、約束を交わした女がほかの男になびいたと噂されても、それは自分の女ではないと信じる思いを寓している。前の二首の藤原八束の梅の歌に続き、梅に託した恋の歌が配されている。
作者の大伴駿河麻呂は大伴御行の孫とされる奈良時代の官人で、のちに陸奥按察使兼鎮守将軍として東北の経営にあたり、宝亀七年(776)に没した。
初句「梅の花」 梅の花で、恋しい女を寓している。
二句「咲きて散りぬと」 咲いて散ってしまったと、の意で、女がほかの男と結ばれたという噂を寓している。
三句「人は言へど」 人は言うけれども、の意である。
四句「我が標結ひし」 私が標を結んだ、の意で、自分が約束を交わしたことを示している。
結句「枝にあらめやも」 「め」は推量の「む」の已然形、「やも」は反語で、その枝であるはずがあろうか、と強く打ち消して結んでいる。
しめゆふ:標を張って占有を示す
- 作者
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大伴駿河麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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妹が家に咲きたる花の梅の花 実にしなりなばかもかくもせむ
- 次の歌
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山守のありける知らにその山に 標結ひ立てて結ひの恥しつ