なでしこがその花にもが朝な朝な
手に取り持ちて恋ひぬ日なけむ
- 歌の意味
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あなたがなでしこのその花であったらなあ。毎朝毎朝手に取り持って、いとしく思わない日はないだろうに。
- 鑑賞
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巻第三 譬喩歌 408
詞書「大伴宿禰家持の同じ坂上家の大嬢に贈る歌一首」
巻第三の譬喩歌の部に収められた歌である。坂上家の大嬢に贈った歌である。あなたがなでしこの花であったら、毎朝手に取って愛でない日はないだろうにと、恋しい人をいつもそばに置きたい思いを花に託している。本巻の第四百三首で大嬢を玉にたとえたのに続き、ここではなでしこの花にたとえている。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、奈良時代の官人である。越中守、因幡守などを経て中納言に至り、延暦四年(785)に没した。万葉集の編纂に深く関わったとされる。
初句「なでしこが」 なでしこは秋の七草の一つで、可憐な花として愛された。
二句「その花にもが」 「もが」は願望の終助詞で、その花であったらなあ、の意である。ここで句切れとなる。
三句「朝な朝な」 毎朝毎朝、の意である。
四句「手に取り持ちて」 手に取り持って、の意である。
結句「恋ひぬ日なけむ」 恋しく思わない日はないだろう、の意で、「む」の推量で結んでいる。
なでしこ:撫子。秋の七草の一つ
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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春霞春日の里の植ゑ子水葱 苗なりと言ひし枝はさしにけむ
- 次の歌
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一日には千重波しきに思へども なぞその玉の手に巻きかたき