我妹子がやどの橘いと近く
植ゑてし故にならずはやまじ
- 歌の意味
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あなたの家の庭の橘は、私のすぐ近くに植えてあるのだから、実がならないままでは終わるまい。
- 鑑賞
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巻第三 譬喩歌 411
詞書は前の歌に続き「大伴坂上郎女の橘の歌一首」の「和ふる歌一首」
巻第三の譬喩歌の部に収められた歌である。前歌の大伴坂上郎女の橘の歌に和した歌である。あなたの家の橘は私のすぐ近くに植えてあるのだから、実がならないままでは終わらないと言い、身近にいる娘とはきっと結ばれるだろうと、郎女の心配に答えている。前歌の「橘」「植ゑ」を受けて応じている。題詞に作者の名は記されておらず、作者は確定できない。
初句「我妹子が」 我妹子は親しい女性を呼ぶ語で、ここでは坂上郎女を指す。
二句「やどの橘」 家の庭の橘で、前歌の「橘を宿に」を受け、郎女の娘を寓している。
三句「いと近く」 たいそう近くに、の意で、自分のすぐそばにいることを示している。
四句「植ゑてし故に」 植えてあるのだから、の意で、前歌の二句の「植ゑ」を受けている。
結句「ならずはやまじ」 「なる」は実がなる意、「じ」は打消の推量で、実がならないままでは終わるまい、と恋の成就を請け合って結んでいる。
なる:実がなる。恋が成就する意を寓する
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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橘を宿に植ゑ生ほし立ちて居て 後に悔ゆとも験あらめやも
- 次の歌
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いなだきにきすめる玉は二つなし かにもかくにも君がまにまに