時はしもいつもあらむを心痛く
い行く我妹かみどり子を置きて
- 歌の意味
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死ぬ時はほかにいつでもあるだろうに、心痛むことに、去って行くわが妻よ。幼い子を残して。
- 鑑賞
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巻第三 挽歌 467
詞書は前の歌に続き「又家持の作る歌一首并せて短歌」の「反歌」
亡き妻を悼んだ長歌に添えられた反歌の一首目である。死ぬ時はほかにいくらでもあるだろうに、よりによって幼い子を残して去ってしまったと、早すぎる妻の死と、残された幼子への思いを詠んでいる。結句で幼子を示すことで、悲しみがいっそう痛切になっている。
天平十一年(739)夏六月から秋にかけて、大伴家持が亡くなった妾を悼んで詠んだ一連の挽歌である。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、奈良時代の官人である。越中守、因幡守などを経て中納言に至り、延暦四年(785)に没した。万葉集の編纂に深く関わったとされる。
初句「時はしも」 「しも」は強意で、死ぬ時は、の意である。
二句「いつもあらむを」 いつでもあるだろうに、の意で、「を」は逆接である。
三句「心痛く」 心痛むことに、の意である。
四句「い行く我妹か」 「い」は接頭語、「か」は詠嘆で、去って行くわが妻よ、の意である。ここで句切れとなる。
結句「みどり子を置きて」 幼い子を残して、の意で、八音の字余りである。倒置によって最も痛ましいことを最後に示している。
みどりこ:乳幼児
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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うつせみの世は常なしと知るものを 秋風寒み偲ひつるかも
- 次の歌
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出でて行く道知らませばあらかじめ 妹を留めむ関も置かましを