佐保山にたなびく霞見るごとに
妹を思ひ出泣かぬ日はなし
- 歌の意味
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佐保山にたなびく霞を見るたびに、妻を思い出して、泣かない日はない。
- 鑑賞
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巻第三 挽歌 473
詞書は前の歌に続き「悲緒未だ息まず、更に作る歌五首」
悲しみがなおやまずに作った五首の四首目である。妻を葬った佐保山にたなびく霞を見るたびに、妻を思い出して泣かない日はないと、毎日の悲しみを詠んでいる。山にかかる霞は、火葬の煙を思わせ、亡き人の面影を宿すものとして見られている。佐保山は平城京の北東の丘陵で、大伴家の邸宅もその近くにあった。
天平十一年(739)夏六月から秋にかけて、大伴家持が亡くなった妾を悼んで詠んだ一連の挽歌である。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、奈良時代の官人である。越中守、因幡守などを経て中納言に至り、延暦四年(785)に没した。万葉集の編纂に深く関わったとされる。
初句「佐保山に」 佐保山は平城京の北東の丘陵で、妻を葬った山である。
二句「たなびく霞」 山に横に長くかかる霞で、火葬の煙を思わせる。
三句「見るごとに」 見るたびに、の意である。
四句「妹を思ひ出」 妻を思い出して、の意である。
結句「泣かぬ日はなし」 泣かない日はない、と毎日の悲しみで結んでいる。
さほやま:平城京の北東の丘陵
かすみ:霞
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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世間し常かくのみとかつ知れど 痛き心は忍びかねつも
- 次の歌
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昔こそ外にも見しか我妹子が 奥つ城と思へばはしき佐保山