白栲の袖解き交へて帰り来む
月日を数みて行きて来ましを
- 歌の意味
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白い袖を解き交わして共に寝て、帰って来る月日を数え定めておいてから、出かけて来ればよかったのに。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 510
詞書は前の歌に続き「反歌」
丹比笠麻呂が筑紫へ下る時に作った長歌(第五百九首)の反歌である。妻と袖を交わして別れを惜しみ、帰る月日を数え定めてから旅立てばよかったと悔やむ。長歌で、磯に生える「なのりそ」の名に掛けて、妻に何も告げずに来てしまったことを嘆いたのを受け、別れの際の心残りを重ねて述べている。
作者の丹比笠麻呂は、奈良時代初めの官人で、筑紫へ下向したことが詞書から知られる。丹比氏は宣化天皇の後裔と伝える氏族である。
初句「白栲の」は「袖」にかかる枕詞で、白い布で作った袖の意を表す。
二句「袖解き交へて」は、袖を解いて互いに交わしての意で、男女が共寝することを表す。
三句「帰り来む」は、帰って来るであろうの意で、「む」は推量を表し、四句の「月日」にかかる。
四句「月日を数みて」の「数む」は数えるの意で、帰る日までの月日を数え定めての意となる。
結句「行きて来ましを」の「まし」は反実仮想の助動詞で、そうして出かけて来ればよかったのにと、実際にはそうしなかったことへの悔いを表す。
よむ:数える
- 作者
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丹比笠麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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衣手の別かる今夜ゆ妹も我れも いたく恋ひむな逢ふよしをなみ
- 次の歌
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我が背子はいづく行くらむ沖つ藻の 名張の山を今日か越ゆらむ