雨障み常する君はひさかたの
昨夜の夜の雨に懲りにけむかも
- 歌の意味
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いつも雨を口実に家にこもっているあなたは、ゆうべの雨にすっかり懲りてしまったのだろうか。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 519
詞書「大伴女郎の歌一首 今城王の母なり。今城王は後に大原真人の氏を賜ふ」
雨を理由にいつも訪れを控える恋人に対し、ゆうべの雨でさらに懲りてしまったのだろうかと、からかうように訪れを促す歌である。来ない相手への不満を、軽いからかいに包んで表している。次歌はこの歌に後の人が唱和したもので、同じ「雨障み」の語を用いて応じている。
作者の大伴女郎は、大伴氏の女性で、詞書の注によれば今城王の母である。のちに大伴旅人の妻となった女性とする説がある。
初句「雨障み」は、雨を避けて家にこもることをいう。恋人が訪れない理由として雨を持ち出している。
二句「常する君は」は、いつもそうしているあなたはの意で、雨を口実にする習いを皮肉っている。
三句「ひさかたの」は、「天」「雨」などにかかる枕詞である。ここでは四句の「雨」を導く。
四句「昨夜の夜の雨に」は八音の字余りで、ゆうべの雨にの意である。「昨夜」は「きぞ」と読み、前の晩を指す。
結句「懲りにけむかも」の「けむ」は過去推量、「かも」は疑問を含む詠嘆で、懲りてしまったのだろうかの意となる。
あまつつみ:雨を避けて家にこもること
きぞ:昨夜、前の晩
- 作者
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大伴女郎
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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春日野の山辺の道をよそりなく 通ひし君が見えぬころかも
- 次の歌
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ひさかたの雨も降らぬか雨障み 君にたぐひてこの日暮らさむ