- 歌の意味
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赤駒が越えようとする馬柵のように、しっかりと標を結んで私のものとしたあなたの心は、疑う余地もない。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 530
詞書「天皇の海上女王に賜ふ御歌一首 寧楽宮に即位したまふ天皇なり」
聖武天皇が海上女王に賜った歌である。赤駒が越えようとする馬柵を序として、しっかりと標を結んで自分のものとしたあなたの心は疑いもないと、相手への信頼を述べる。左注には、この歌は古い歌にならった作で、時にかなったものとしてこの歌を賜ったのだろうとある。
作者の聖武天皇は、奈良時代の天皇で、文武天皇の皇子である。東大寺の大仏造立を発願するなど、仏教を篤く保護した。
初句「赤駒の」は、赤毛の馬のの意で、馬柵を越えようとする荒々しい馬の姿を思わせる。
二句「越ゆる馬柵の」の「馬柵」は馬を囲う柵で、初句と合わせて三句の「標結ひ」を導く序詞となる。
三句「標結ひし」の「標」は所有や占有を示す印で、それを結ぶことは相手を自分のものと定めることをいう。
四句「妹が心は」は、あなたの心はの意で、標を結んだ相手の心を取り上げる。
結句「疑ひもなし」は、疑う余地もないの意で、相手の心への確信を言い切って結ぶ。
うませ:馬を囲う柵
しめ:所有や占有を示すために張る縄や印
- 作者
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聖武天皇
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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千鳥鳴く佐保の川門の瀬を広み 打橋渡す汝が来と思へば
- 次の歌
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梓弓爪引く夜音の遠音にも 君が御幸を聞かくしよしも