言清くいたもな言ひそ一日だに
君いしなくはあへかたきかも
- 歌の意味
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そんなにきっぱりと潔いことを言わないでください。一日でもあなたがいなければ、私は耐えがたいのだから。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 537
詞書「高田女王の今城王に贈る歌六首」
高田女王が今城王に贈った六首の最初の歌である。別れを潔く言い切る相手に対し、そんなにきっぱりと言わないでほしい、一日でもあなたがいなければ耐えがたいのだからと訴える。相手の言葉の冷たさと、自らの思いの深さとを対比させている。
作者の高田女王は、高安王の娘とされる女性である。贈った相手の今城王は大伴女郎の子で、のちに大原真人の姓を賜った。
初句「言清く」は、言葉が潔い、きっぱりしているの意で、相手の言いぶりを指す。
二句「いたもな言ひそ」の「いたも」はひどくの意、「な〜そ」は禁止を表し、そんなにひどく言わないでくださいの意となる。ここで切れる二句切れである。
三句「一日だに」の「だに」は「〜でさえ」の意の副助詞で、わずか一日でもの意となる。
四句「君いしなくは」の「い」「し」はともに強意の助詞で、あなたがいなければの意となる。
結句「あへかたきかも」の「あへかたし」は耐えがたいの意、「かも」は詠嘆で、耐えがたいことだの意となる。
あふ:耐える、こらえる
- 作者
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高田女王
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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意宇の海の潮干の潟の片思に 思ひや行かむ道の長手を
- 次の歌
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人言を繁み言痛み逢はずありき 心あるごとな思ひ我が背子