人言を繁み言痛み逢はずありき
心あるごとな思ひ我が背子
- 歌の意味
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人の噂がうるさく煩わしいので逢わずにいたのです。心変わりしたかのように思わないでください、あなた。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 538
詞書は前の歌に続き「高田女王の今城王に贈る歌六首」
人の噂がうるさいので逢わずにいただけで、心が離れたわけではないから、そう思わないでほしいと弁明する歌である。逢わなかった理由を人の噂に求め、相手の誤解を解こうとしている。
作者の高田女王は、高安王の娘とされる女性である。贈った相手の今城王は大伴女郎の子で、のちに大原真人の姓を賜った。
初句「人言を」は、人の噂をの意で、恋を妨げるものとしての世間の口を示す。
二句「繁み言痛み」は、うるさく煩わしいのでの意で、「〜を〜み」の語法を重ねて理由を強調する。
三句「逢はずありき」は六音の字余りで、逢わずにいたの意である。「き」は過去の助動詞で、ここで切れる三句切れとなる。
四句「心あるごと」は、ほかに心があるかのようにの意で、心変わりしたかのようにと解される。
結句「な思ひ我が背子」の「な」は禁止を表し、そう思わないでください、あなたと呼びかけて結ぶ。
ひとごと:人の噂
- 作者
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高田女王
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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言清くいたもな言ひそ一日だに 君いしなくはあへかたきかも
- 次の歌
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我が背子し遂げむと言はば人言は 繁くありとも出でて逢はましを