我が背子し遂げむと言はば人言は
繁くありとも出でて逢はましを
- 歌の意味
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あなたがこの恋を遂げようと言ってくださるなら、人の噂がうるさくても、出て行って逢うでしょうに。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 539
詞書は前の歌に続き「高田女王の今城王に贈る歌六首」
あなたが恋を遂げようとはっきり言ってくれるなら、人の噂がうるさくても出て行って逢うのにと、相手の決意を求める歌である。前歌で噂を理由に逢わなかったと述べたのを受け、本当は相手の覚悟次第だと本心を明かしている。
作者の高田女王は、高安王の娘とされる女性である。贈った相手の今城王は大伴女郎の子で、のちに大原真人の姓を賜った。
初句「我が背子し」の「し」は強意の副助詞で、あなたがと相手を取り立てる。
二句「遂げむと言はば」は、恋を遂げようと言うならばの意で、「む」は意志、「ば」は仮定を表す。
三句「人言は」は、人の噂はの意で、前歌の初句と同じ語を用いている。
四句「繁くありとも」の「とも」は逆接の仮定を表し、うるさくあってもの意となる。
結句「出でて逢はましを」の「まし」は反実仮想の助動詞で、出て行って逢うでしょうにの意となる。現実にはそうなっていないことへの不満がこもる。
とぐ:成し遂げる。恋を最後まで貫く
- 作者
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高田女王
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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人言を繁み言痛み逢はずありき 心あるごとな思ひ我が背子
- 次の歌
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我が背子にまたは逢はじかと思へばか 今朝の別れのすべなかりつる