我が背子にまたは逢はじかと思へばか
今朝の別れのすべなかりつる
- 歌の意味
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あなたにもう二度と逢えないのではないかと思うからだろうか、今朝の別れがどうしようもなくつらかったのは。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 540
詞書は前の歌に続き「高田女王の今城王に贈る歌六首」
あなたにもう逢えないのではないかと思うからか、今朝の別れはどうしようもなくつらかったと詠む歌である。逢瀬の後の朝の別れに、二度と逢えないかもしれない不安が重なり、切なさがいっそう深まっている。
作者の高田女王は、高安王の娘とされる女性である。贈った相手の今城王は大伴女郎の子で、のちに大原真人の姓を賜った。
初句「我が背子に」は、あなたにの意で、恋人に呼びかける言葉である。
二句「または逢はじか」の「じ」は打消推量で、もう二度と逢えないだろうかの意となる。
三句「と思へばか」は六音の字余りで、と思うからだろうかの意である。「か」は疑問の係助詞で、結びは結句の「つる」である。
四句「今朝の別れの」は、今朝の別れがの意で、共に過ごした夜の後の朝の別れを示す。
結句「すべなかりつる」は、どうしようもなくつらかったの意で、「つる」は完了の助動詞「つ」の連体形として「か」の結びとなる。
すべ:手立て、方法
- 作者
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高田女王
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が背子し遂げむと言はば人言は 繁くありとも出でて逢はましを
- 次の歌
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この世には人言繁し来む世にも 逢はむ我が背子今ならずとも