天雲の外に見しより我妹子に
心も身さへ寄りにしものを
- 歌の意味
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空の雲のように遠くよそながら見た時から、いとしいあの子に、心も体までも寄せてしまったのだ。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 547
詞書は前の歌に続き「反歌」
神亀二年春三月の三香原離宮への行幸の折、娘子を得て笠金村が作った長歌(第五百四十六首)の反歌である。遠くからよそながら見た時から、心も体も相手に寄せてしまったと、ひと目で心を奪われた恋を詠む。本巻の第五百五首と同じ結句「寄りにしものを」をもち、心が相手に寄っていくことを同じ言葉で表している。
作者の笠金村は、奈良時代前期の宮廷歌人で、行幸に従って多くの歌を残した。
初句「天雲の」は「外」にかかる枕詞で、空の雲のように遠くの意を表す。
二句「外に見しより」は、よそながら見た時からの意である。長歌の「天雲の外のみ見つつ」を受けている。
三句「我妹子に」は、いとしい女性にの意である。
四句「心も身さへ」の「さへ」は添加の副助詞で、心だけでなく体までもの意となる。
結句「寄りにしものを」の「に」は完了、「し」は過去の助動詞で、寄ってしまったのだの意となる。「ものを」は詠嘆を込めて結ぶ。
よそ:離れた所、関わりのない所
- 作者
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笠金村
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が背子が跡踏み求め追ひ行かば 紀の関守い留めてむかも
- 次の歌
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今夜の早く明けなばすべをなみ 秋の百夜を願ひつるかも