我が君はわけをば死ねと思へかも
逢ふ夜逢はぬ夜二走るらむ
- 歌の意味
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あなたはこの私を死ねと思っているのだろうか。逢ってくれる夜と逢ってくれない夜と、二通りに分かれるのは。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 552
詞書「大伴宿祢三依の歌一首」
逢ってくれる夜もあれば逢ってくれない夜もある相手に対し、この私を死ねと思っているのだろうかと、大げさに恨んでみせる歌である。自分を卑しめて「わけ」と呼び、相手を「我が君」と立てる言葉づかいに、戯れを交えた親しい関係がうかがえる。
作者の大伴三依は、大伴御行の子とされる官人で、大宰府に赴任したこともある。
初句「我が君は」は、あなたはと相手を敬って呼ぶ言葉である。
二句「わけをば死ねと」の「わけ」は自分を卑下していう語で、この私を死ねとの意となる。
三句「思へかも」は已然形に「かも」がついた疑問の条件で、思っているからだろうかの意となる。結びは結句の「らむ」である。
四句「逢ふ夜逢はぬ夜」は、逢ってくれる夜と逢ってくれない夜との意で、対になる語を並べている。
結句「二走るらむ」の「二走る」は二通りに分かれるの意とされ、「らむ」は現在推量の連体形として「かも」の結びとなる。
わけ:自分を卑下していう語。また目下の者を親しんで呼ぶ語
ふたはしる:二通りに分かれる
- 作者
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大伴三依
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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大和道の島の浦廻に寄する波 間もなけむ我が恋ひまくは
- 次の歌
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天雲のそくへの極み遠けども 心し行けば恋ふるものかも