暇なく人の眉根をいたづらに
掻かしめつつも逢はぬ妹かも
- 歌の意味
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絶え間なく人の眉をむなしく掻かせておきながら、逢ってくれないあの人であることよ。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 562
詞書は前の歌に続き「大宰大監大伴宿祢百代の恋の歌四首」
眉がかゆくなるのは恋人に逢える前兆とされたことをふまえ、しきりに眉をかゆくさせておきながら、いっこうに逢ってくれない相手を恨む歌である。俗信を用いて、期待を裏切られる恋のもどかしさを軽妙に表している。四首の最後に置かれ、老いての恋の嘆きを戯れの調子で結んでいる。
作者の大伴百代は、大伴氏の官人で、大宰大監として大伴旅人のもとに仕えた。
初句「暇なく」は、絶え間なくの意で、しきりに眉がかゆくなることを示す。
二句「人の眉根を」の「人」は自分を指し、私の眉をの意となる。「眉根」は眉のことである。
三句「いたづらに」は、むなしく、無駄にの意である。前兆が当たらないことを嘆いている。
四句「掻かしめつつも」の「しめ」は使役、「つつ」は継続で、掻かせ続けておきながらの意となる。
結句「逢はぬ妹かも」は、逢ってくれないあの人であることよの意で、「かも」は詠嘆である。
まよね:眉。眉がかゆくなるのは恋人に逢える前兆とされた
- 作者
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大伴百代
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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思はぬを思ふと言はば大野なる 御笠の杜の神し知らさむ
- 次の歌
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黒髪に白髪交り老ゆるまで かかる恋にはいまだ逢はなくに