山菅の実ならぬことを我れに寄せ
言はれし君は誰れとか寝らむ
- 歌の意味
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山菅が実をつけないように、実を結ばない噂を私と結びつけて言われていたあなたは、今ごろ誰と寝ているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 564
詞書は前の歌に続き「大伴坂上郎女の歌二首」
山菅が実を結ばないように、実のない噂を私と結びつけて言い立てられたあなたは、今ごろ誰と寝ているのだろうかと、からかうように詠む歌である。噂の相手に向けた戯れの歌で、坂上郎女らしい機知が表れている。
作者の大伴坂上郎女は、大伴安麻呂の娘で、大伴旅人の異母妹にあたる。万葉集に多くの歌を残し、女流歌人として重んじられている。
初句「山菅の」は、山に生える菅のの意で、実をつけないことから二句の「実ならぬ」にかかる。
二句「実ならぬことを」は、実を結ばないことをの意で、根拠のない噂を指す。
三句「我れに寄せ」は、私と結びつけての意で、噂の相手とされたことをいう。
四句「言はれし君は」は、言われていたあなたはの意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。
結句「誰れとか寝らむ」の「か」は疑問の係助詞、「らむ」は現在推量の連体形で、誰と寝ているのだろうかの意となる。
やますげ:山に生える菅。ヤブランの類とされる
- 作者
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大伴坂上郎女
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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黒髪に白髪交り老ゆるまで かかる恋にはいまだ逢はなくに
- 次の歌
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大伴の見つとは言はじあかねさし 照れる月夜に直に逢へりとも