ぬばたまの黒髪変り白けても
痛き恋には逢ふ時ありけり
- 歌の意味
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黒髪が変わって白くなっても、つらい恋に出会う時があるものだったのだなあ。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 573
詞書は前の歌に続き「大宰帥大伴卿の京に上りし後に、沙弥満誓の卿に贈る歌二首」
黒髪が白髪に変わるほど年老いても、つらい恋に出会うことがあるのだと気づいて詠む歌である。旅人との別れのつらさを、老いてなお味わう恋の苦しみにたとえている。本巻の第五百五十九首の大伴百代の歌や第五百六十三首の坂上郎女の歌と同じく、老いと恋とを取り合わせた歌である。
作者の沙弥満誓は、俗名を笠麻呂といい、美濃守などを務めたのち出家した。造筑紫観世音寺別当として筑紫にあり、旅人らと交わった。
初句「ぬばたまの」は「黒」にかかる枕詞である。
二句「黒髪変り」は、黒髪が変わっての意で、年を重ねたことを示す。
三句「白けても」は、白くなってもの意で、「ても」は逆接を表す。
四句「痛き恋には」は、つらい恋にはの意で、「痛し」は苦しい、せつないの意である。
結句「逢ふ時ありけり」の「けり」は気づきの詠嘆で、出会う時があるものだったのだなあの意となる。
しらく:白くなる
- 作者
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沙弥満誓
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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まそ鏡見飽かぬ君に後れてや 朝夕にさびつつ居らむ
- 次の歌
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ここにありて筑紫やいづち白雲の たなびく山の方にしあるらし