ここにありて筑紫やいづち白雲の
たなびく山の方にしあるらし
- 歌の意味
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ここ奈良にいて、筑紫はどちらの方角だろうか。白雲のたなびくあの山の方にあるらしい。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 574
詞書「大納言大伴卿の和ふる歌二首」
都に帰った大伴旅人が、筑紫の沙弥満誓の歌に答えた二首の最初の歌である。奈良の都にいて筑紫はどちらだろうかと思いやり、白雲のたなびく山の彼方にあるらしいと、遠く隔たった筑紫を懐かしむ。遠い友を思う心が、雄大な景によって表されている。
作者の大伴旅人は、大伴安麻呂の子で、大伴家持の父にあたる。大宰帥として筑紫に赴任し、のちに大納言となって都に帰った。
初句「ここにありて」は六音の字余りで、ここ都にいての意である。
二句「筑紫やいづち」の「や」は疑問の係助詞、「いづち」はどちらの方角の意で、筑紫はどちらの方だろうかの意となる。ここで切れる二句切れである。
三句「白雲の」は、白い雲のの意で、遠くの景をまず示す。
四句「たなびく山の」は、雲が横に長く引いてかかる山のの意である。
結句「方にしあるらし」の「し」は強意、「らし」は根拠のある推定で、その方角にあるらしいの意となる。
いづち:どちらの方角
- 作者
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大伴旅人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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ぬばたまの黒髪変り白けても 痛き恋には逢ふ時ありけり
- 次の歌
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草香江の入江にあさる葦鶴の あなたづたづし友なしにして