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草香江の入江にあさる葦鶴の
あなたづたづし友なしにして

歌の意味
草香江の入江で餌をあさる葦辺の鶴のように、ああ心細いことだ。友もいなくて。
鑑賞
巻第四 相聞 575

詞書は前の歌に続き「大納言大伴卿の和ふる歌二首」
 二首の二首目で、草香江の入江で餌をあさる鶴を序として、友もいなくて心細いと、筑紫の友と別れた寂しさを詠む。「葦鶴」の「たづ」の音から「たづたづし」を導く技巧を用い、ひとり取り残された心細さを表している。
 作者の大伴旅人は、大伴安麻呂の子で、大伴家持の父にあたる。大宰帥として筑紫に赴任し、のちに大納言となって都に帰った。

 初句「草香江の」は、河内国の草香江で、今の東大阪市日下付近にあった入江とされる。
 二句「入江にあさる」は、入江で餌をあさるの意である。
 三句「葦鶴の」は、葦辺にいる鶴のの意で、「たづ」の音から四句の「たづたづし」を導き、初句と合わせて序詞となる。
 四句「あなたづたづし」の「あな」は感動詞、「たづたづし」は心もとない、心細いの意で、ああ心細いことだの意となる。ここで切れる四句切れである。
 結句「友なしにして」は、友もいなくての意で、倒置によって心細さの理由を最後に示している。

あしたづ:葦辺にいる鶴
あさる:餌を探し求める
作者
大伴旅人
出典
万葉集
前の歌
ここにありて筑紫やいづち白雲の たなびく山の方にしあるらし
次の歌
今よりは城の山道は寂しけむ 我が通はむと思ひしものを