我が衣人にな着せそ網引する
難波壮士の手には触るとも
- 歌の意味
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私が贈るこの衣を、ほかの人に着せないでください。網を引く難波の男たちの手に触れることはあっても。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 577
詞書「大納言大伴卿の新しき袍を摂津大夫高安王に贈る歌一首」
大納言大伴旅人が、新しい袍を摂津大夫の高安王に贈ったときの歌である。私の贈った衣を他の人に着せないでください、網を引く難波の男たちの手に触れることはあっても、と戯れる。摂津の長官である高安王を、難波の海辺で働く男たちの長に見立てたユーモアがある。
作者の大伴旅人は、大伴安麻呂の子で、大伴家持の父にあたる。大宰帥として筑紫に赴任し、のちに大納言となって都に帰った。
初句「我が衣」は、私の衣の意で、贈り物の袍を指す。
二句「人にな着せそ」の「な〜そ」は禁止を表し、ほかの人に着せないでくださいの意となる。ここで切れる二句切れである。
三句「網引する」は、網を引くの意で、難波の海辺で漁をする男たちの姿を描く。
四句「難波壮士の」は、難波の男たちのの意で、摂津の民を指す。
結句「手には触るとも」は、手に触れることはあってもの意で、「とも」は逆接の仮定を表す。
あびき:網を引くこと。地引網の漁
をとこ:若く勢いのある男
- 作者
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大伴旅人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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今よりは城の山道は寂しけむ 我が通はむと思ひしものを
- 次の歌
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天地とともに久しく住まはむと 思ひてありし家の庭はも