見まつりていまだ時だに変らねば
年月のごと思ほゆる君
- 歌の意味
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お目にかかってから、まだ季節さえ変わっていないのに、何年も経ったように思われるあなたよ。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 579
詞書「余明軍の大伴宿祢家持に与ふる歌二首 明軍は大納言卿の資人なり」
大伴旅人の資人であった余明軍が、旅人の子の家持に贈った二首の最初の歌である。お目にかかってまだ季節も変わらないのに、何年も経ったように思われると、家持を慕う心を述べる。旅人の死後、家持のもとを離れることになった時の歌とみられる。
作者の余明軍は、百済系の渡来人とされ、大納言大伴旅人の資人として仕えた。「資人」は貴人に与えられた従者である。
初句「見まつりて」の「まつる」は謙譲の補助動詞で、お目にかかってからの意となる。
二句「いまだ時だに」は、まだ季節さえもの意で、「だに」は「〜さえ」の意の副助詞である。
三句「変らねば」は、変わっていないのにの意で、「ねば」はここでは逆接的に用いられている。
四句「年月のごと」は、何年もの月日が経ったようにの意である。
結句「思ほゆる君」は、思われるあなたの意で、体言止めによって慕わしい相手を示して結ぶ。
しじん:律令制で、身分の高い官人に与えられた従者
- 作者
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余明軍
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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天地とともに久しく住まはむと 思ひてありし家の庭はも
- 次の歌
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あしひきの山に生ひたる菅の根の ねもころ見まく欲しき君かも