あしひきの山に生ひたる菅の根の
ねもころ見まく欲しき君かも
- 歌の意味
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山に生えている菅の根のように、心をこめて懇ろにお目にかかりたいと思うあなたであることよ。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 580
詞書は前の歌に続き「余明軍の大伴宿祢家持に与ふる歌二首」
二首の二首目で、山に生える菅の根を序として、心からお目にかかりたいと家持への思慕を詠む。「菅の根」の「ね」の音から「ねもころ」を導く技巧を用いている。
作者の余明軍は、百済系の渡来人とされ、大納言大伴旅人の資人として仕えた。「資人」は貴人に与えられた従者である。
初句「あしひきの」は「山」にかかる枕詞である。
二句「山に生ひたる」は、山に生えているの意である。
三句「菅の根の」は、菅の根のの意で、根が長く絡み合うことから、また「ね」の音から四句の「ねもころ」を導き、初句と合わせて序詞となる。
四句「ねもころ見まく」の「ねもころ」は心をこめて、懇ろにの意、「見まく」は「見む」のク語法で、心から逢いたいと思うの意となる。
結句「欲しき君かも」の「かも」は詠嘆で、そう願わずにいられないあなたであることよの意となる。
すが:菅。カヤツリグサ科の草
- 作者
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余明軍
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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見まつりていまだ時だに変らねば 年月のごと思ほゆる君
- 次の歌
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生きてあらば見まくも知らず何しかも 死なむよ妹と夢に見えつる