生きてあらば見まくも知らず何しかも
死なむよ妹と夢に見えつる
- 歌の意味
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生きていれば逢えるかもしれないのに、どうして「死んでしまうよ、あなた」と言うあなたが夢に見えたのだろうか。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 581
詞書「大伴坂上家の大娘の大伴宿祢家持に報へ贈る歌四首」
坂上大嬢が大伴家持に答えて贈った四首の最初の歌である。生きていればまた逢えるかもしれないのに、どうして「恋しさに死んでしまいそうだ」と言うあなたの姿が夢に現れたのかと問いかける。家持から寄せられた激しい恋の言葉を受け、夢に託して応えている。
作者の大伴坂上大嬢は、大伴宿奈麻呂と坂上郎女の娘で、のちに大伴家持の正妻となった。
初句「生きてあらば」は六音の字余りで、生きていたならばの意である。
二句「見まくも知らず」は、逢うこともできるかもしれないの意で、「見まく」は「見む」のク語法である。
三句「何しかも」は、どうしての意で、「か」は疑問の係助詞、結びは結句の「つる」である。
四句「死なむよ妹と」は、「死んでしまうよ、あなた」との意で、夢に現れた家持の言葉を引いている。
結句「夢に見えつる」の「つる」は完了の助動詞「つ」の連体形で、「か」の結びとなる。夢に見えたのだろうかの意である。
いめ:夢。上代の語形
- 作者
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大伴坂上大嬢
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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あしひきの山に生ひたる菅の根の ねもころ見まく欲しき君かも
- 次の歌
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ますらをもかく恋ひけるをたわやめの 恋ふる心にたぐひあらめやも