月草のうつろひやすく思へかも
我が思ふ人の言も告げ来ぬ
- 歌の意味
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月草の色が移ろいやすいように、心変わりしやすいと思っているからだろうか、私の思う人は言葉さえ伝えてこない。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 583
詞書は前の歌に続き「大伴坂上家の大娘の大伴宿祢家持に報へ贈る歌四首」
月草の色が移ろいやすいように、心が変わりやすいと思っているからか、私の思う人は便りさえよこさないと恨む歌である。月草で染めた色がすぐにあせることを、人の心の変わりやすさにたとえている。
作者の大伴坂上大嬢は、大伴宿奈麻呂と坂上郎女の娘で、のちに大伴家持の正妻となった。
初句「月草の」は露草のことで、その花で染めた色がすぐにあせることから「うつろふ」にかかる枕詞である。
二句「うつろひやすく」は、色あせやすく、心変わりしやすくの意である。
三句「思へかも」は已然形に「かも」がついた疑問の条件で、思っているからだろうかの意となる。結びは結句の「ぬ」の連体形である。
四句「我が思ふ人の」は、私が思い慕う人のの意で、家持を指す。
結句「言も告げ来ぬ」は、言葉さえ伝えてこないの意で、「ぬ」は打消の助動詞「ず」の連体形として「かも」の結びとなる。
つきくさ:露草。その花で染めた色はあせやすい
- 作者
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大伴坂上大嬢
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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ますらをもかく恋ひけるをたわやめの 恋ふる心にたぐひあらめやも
- 次の歌
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春日山朝立つ雲の居ぬ日なく 見まくの欲しき君にもあるかも