白鳥の飛羽山松の待ちつつぞ
我が恋ひわたるこの月ごろを
- 歌の意味
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白鳥の飛ぶ飛羽山の松の名のように、あなたを待ちながら、私は恋い続けている。この幾月もの間を。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 588
詞書は前の歌に続き「笠女郎の大伴宿祢家持に贈る歌二十四首」
飛羽山の松の「まつ」に「待つ」を掛け、あなたを待ちながら幾月も恋い続けていると詠む歌である。地名と松の名を巧みに用いて、待ち続ける日々の長さを表している。本巻の巻頭から続く「待つ」の主題が、ここでも詠まれている。
作者の笠女郎は、奈良時代の女流歌人で、大伴家持に多くの恋の歌を贈った。伝は未詳である。
初句「白鳥の」は、白い鳥が飛ぶ意から「飛羽山」の「飛ぶ」にかかる枕詞である。
二句「飛羽山松の」は、飛羽山の松のの意で、飛羽山は奈良の地にあった山とされる。「松」から三句の「待ち」を導き、初句と合わせて序詞となる。
三句「待ちつつぞ」は、待ちながらの意で、係助詞「ぞ」が強め、結びは四句の「わたる」の連体形である。
四句「我が恋ひわたる」の「わたる」は時を過ごし続けるの意で、恋い続けているの意となる。
結句「この月ごろを」は、この幾月もの間をの意で、倒置によって恋い続けた期間を示している。
こひわたる:恋い続ける、恋しく思いながら時を過ごす
- 作者
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笠女郎
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が形見見つつ偲はせあらたまの 年の緒長く我れも偲はむ
- 次の歌
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衣手を打廻の里にある我れを 知らにぞ人は待てど来ずける