闇の夜に鳴くなる鶴の外のみに
聞きつつかあらむ逢ふとはなしに
- 歌の意味
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闇夜に鳴いている鶴の声を遠く聞くように、あなたのことをよそながら聞くばかりでいるのだろうか。逢うこともなしに。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 592
詞書は前の歌に続き「笠女郎の大伴宿祢家持に贈る歌二十四首」
闇夜に姿を見せずに鳴く鶴の声を序として、あなたの噂をよそながら聞くばかりで、逢うこともないのだろうかと嘆く歌である。声だけが聞こえて姿の見えない鶴に、噂だけが伝わって逢えない恋人を重ねている。
作者の笠女郎は、奈良時代の女流歌人で、大伴家持に多くの恋の歌を贈った。伝は未詳である。
初句「闇の夜に」は、闇夜にの意で、何も見えない暗さを示す。
二句「鳴くなる鶴の」の「なる」は伝聞推定の助動詞で、鳴いているのが聞こえる鶴のの意となる。
三句「外のみに」は、よそながらばかりの意で、初句からここまでが序詞の働きをし、声だけが遠く聞こえるさまを表す。
四句「聞きつつかあらむ」の「か」は疑問の係助詞で、聞いてばかりいるのだろうかの意となる。「む」の連体形で結び、ここで切れる四句切れである。
結句「逢ふとはなしに」は、逢うこともなしにの意で、倒置によって嘆きの核心を最後に示している。
たづ:鶴
- 作者
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笠女郎
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が思ひを人に知るれか玉櫛笥 開きあけつと夢にし見ゆる
- 次の歌
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君に恋ひいたもすべなみ奈良山の 小松が下に立ち嘆くかも