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君に恋ひいたもすべなみ奈良山の
小松が下に立ち嘆くかも

歌の意味
あなたを恋しく思っても、どうしようもないので、奈良山の小松の下に立って嘆くことだ。
鑑賞
巻第四 相聞 593

詞書は前の歌に続き「笠女郎の大伴宿祢家持に贈る歌二十四首」
 あなたが恋しくてどうしようもなく、奈良山の小松の下に立って嘆いていると詠む歌である。「小松」の「まつ」に「待つ」の意を響かせ、恋人を待ちわびて立ち尽くす姿を描いている。
 作者の笠女郎は、奈良時代の女流歌人で、大伴家持に多くの恋の歌を贈った。伝は未詳である。

 初句「君に恋ひ」は、あなたを恋しく思っての意である。
 二句「いたもすべなみ」の「いたも」はひどく、「すべなみ」はどうしようもないのでの意で、まったくどうしようもないのでの意となる。
 三句「奈良山の」は、奈良の都の北にある丘陵である。
 四句「小松が下に」は、小さな松の木の下にの意で、「松」に「待つ」を響かせている。
 結句「立ち嘆くかも」は、立ったまま嘆くことだの意で、「かも」は詠嘆である。

ならやま:奈良の都の北にある丘陵
作者
笠女郎
出典
万葉集
前の歌
闇の夜に鳴くなる鶴の外のみに 聞きつつかあらむ逢ふとはなしに
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我がやどの夕蔭草の白露の 消ぬがにもとな思ほゆるかも